上越信号場(石北本線)
◆ガス鉄砲が鳴り響く上越信号場
奥白滝信号場を出て、石北本線最大の秘境地帯に突入だ。国道333号線は北見峠の頂上を越えると下り坂になってきた。上越信号場への進入路は必ずあるはずと信じ、目を凝らしながらゆっくりとカーブの続く下り坂を下る。そして程なくして、林道を発見した。ここを行くしかないと決めダート道を進む。左手に小さな川が流れていて、その向こうには石北本線の巨大スノーシェルターが見える。目の前には高速道路の大きな橋があり、その下をくぐると少し開けたところに出た。そしてそこには、人一人が通れる小さな橋があった。その橋の向こうになにやら古い木造の建物がある。発見した、上越信号場だ。信号場に入るポイントには、上下とも巨大なスノーシェルターがぽっかりと口を開けている。古い木造の建物の看板には上越駅とはっきり書いてあるが現在は信号場なのである。しかし、凄い山の中にある信号場だ。何だか、いつヒグマが出ても不思議ではない感じがする。私は念のために前もって買っておいたクラッカーを数発鳴らしてみた。パーンという激しい音が山間に木霊し鳴り響く。これでヨシと思いながら、辺りをビデオや写真に収めていった。そのときである。予想もしなかった大きなガス鉄砲が唸りを挙げた。ちょうど駅舎の対面にいた私の真後ろでドカーンとかまされたのであった。私も気づかなかったところに時限式のガス鉄砲が設置されていたのだった。これにはさすがに驚いた。さっきの私は鳴らしたクラッカーなど比べ物にならないほど大きな衝撃音だった。これはやはり、信号場に近づく野生動物を追い払うのに設置しているのだろう。それぐらいこの辺りは、超秘境地帯と言える場所なのであろう。また、いつ鳴るかわからないガス鉄砲を気にしながら、上越信号場を取材した。そしてまた、もと来た道を戻り、中越信号場に向かうのであった。野生動物の足音が聞こえそうな雰囲気が満点だった上越信号場だった。
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